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交点を要(かなめ)とする扇子を拡げる方法であるロールラインは相互に頂点を共有する三角形を作るので、その各辺に実長を与えればよいのである(図2.3.6)。
錐面の頂点が現図場をはみ出すように遠くにあるならどうするか。

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図2.3.5

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図2.3.6

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図2.3.7

もう錐面展開は諦め、非平行ロールラインを二辺とする四辺形を対角線を設けて三角形に分割、その実長を追うのが、実際的である(図2.3.7)。
さて、ここで柱面展開と錐面展開の本質を考察してみよう。
柱面の展開形状は、一本の骨となる線:柱面とその直交平面を展開平面上に引延した線、これを人体の背骨に例えれば、その背骨の線に関係付けられたいくつかの骨:ここでは柱面のロールライン、人体なら肋骨…の感じでイメージすることができる。
こうイメージするときの、最初の(背骨)線を、展開基線といい、展開面上で直線にできる空間曲線を選ぶ。あとはこの基線に関係付けられた多くの実長を、展開形状を決められるように配置するのである。
錐面の展開には基線はない。展開要素をすべて三角形で捉え、その辺の実長を追ってゆくことで、展開形状を描き出す。
実は造船の現図展開は、可展・非可展を問わず、この二つの本質:
基線を求める。
三角形を追う。
に尽きるのである。

 

 

 

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